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ゴルゴ13とパンチェン・ラマ11世

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「モテる男」の日本語


ゴルゴ13とパンチェン・ラマ11世
http://tibet.turigane.com/golgopanchen.html

『白龍昇り立つ』 さいとうたかお 著 
ゴルゴ13 第119巻 リイド社SPコミックス
ゴルゴ13「白龍昇り立つ」
  1996年5月作品

 劇画ゴルゴ13に、パンチェン・ラマ救出の物語があります。もちろん、この劇画はフィクションだけれど、そのベースとなっている、中国当局がチベットで行っている民族浄化の話は事実です。以下はその内容です。


 ダライ・ラマに次ぐ高僧、パンチェン・ラマもダライ・ラマと同様、転生を繰り返している。これまで、一方が死去すると、他方がその転生者を捜して認定するということが行われてきた。
 パンチェン・ラマ10世は1989年に死去し、その6年後の1995年、ダライ・ラマは、その転生者(ゲンドゥン・チューキ・ニマ少年 1989年4月25日生)を認定した。

 そのわずか3日後、6才の新パンチェン・ラマは中国当局に両親共々拉致され、現在もその消息は不明である。一方中国当局は、ダライ・ラマが認定したパンチェン・ラマを認めず、別の少年を認定した。中国当局は、彼らが擁立した輪廻転生霊童(偽パンチェン・ラマ)を使って、チベット人を影響下に置き、コントロールしようとしている。

 物語は、偽パンチェン・ラマの転生祭から始まる。


偽パンチェン(ギェンツェン・ノルブ)はここではノプチェとなっている。

チベット問題、パンチェン・ラマ問題を端的に解説。

 ダライ・ラマから依頼を受けたゴルゴは、転生祭の儀式で立てる巨大な柱を支えるロープを狙撃、祭場を大混乱に陥れる。


ゴルゴの回想シーン。ダライ・ラマ法王から直々に依頼を受ける。
パンチェン・ラマ(ニマ少年)はここでは、ラモンとなっている。

 祭場が混乱した虚を突いて、別働隊がパンチェン・ラマを救出し、ヒマラヤを越えて逃亡することになっていた。だが、彼らはヒマラヤ山中に展開していた人民解放軍山岳部隊に急襲され、パンチェン・ラマを除いて全滅する。


「仏の慈悲を…」というチベット人を射殺後、
パンチェン・ラマに銃を向ける山岳部隊 燐隊長。
彼のこのセリフにチベット問題の全てが集約されている。


 ダライ・ラマの予知した通り、パンチェン・ラマと遭遇、合流したゴルゴは、中国山岳部隊の執拗な追撃を排除しつつ、少年を連れてヒマラヤを越えようとするが、標高7000mを超える過酷な環境で、山岳部隊の指揮官に追い詰められ……。

運よく山岳部隊から逃れられたパンチェン・ラマとゴルゴの遭遇シーン


 続きは実際の劇画をお読みください。
 12年前(パンチェン・ラマが拉致された翌年)に、チベット問題の一端を題材として劇画化し、マスコミが報道しないこの問題を多くの人に伝えてくれた、さいとうたかを氏に敬意を表します。一刻も早く、本物のパンチェン・ラマ11世が解放されることを願っています。

 ぜひみなさんもお読みください。

 『白龍昇り立つ』 さいとうたかお 著 ゴルゴ13 第119巻 リイド社SPコミックス

 アマゾンでの評価も非常に高いです。

アマゾンのレビューより

・表題作「白龍昇り立つ」が圧巻。異常なテンションの高さで読者をぐいぐいと引き込みながら話は進みます。チベットの生き神様(仏様か)の少年を連れたゴルゴと「いいか、水は一日4リットル必要だ。」「三点確保を基本に、応用力が物を言うぞ!」など、基本を外さない中国山岳部隊・燐隊長が、ゴルゴ史上まれに見る死闘を繰り広げます。

・ダライ・ラマの依頼でチベットへ。パンチェン・ラマの生まれ変わりの少年が素晴らしい。そして標高8000メートルでの中国登山部隊との戦いはある意味ゴルゴ史上他に類を見ない苛烈さを極めており、読んでいてこちらも凍り付きそうになる。文句無しの近年の大傑作。

・ダライ・ラマの元に亡命しようとする少年僧.供の者は全滅,さらに彼を亡き者にしようとする人民解放軍山岳部隊.
それは今も現実に存在する(ヒマラヤを越えてネパールに逃れようとしたチベット人グループが、中国国境警備隊に銃撃され、射殺された事件).
まさに,これを予言した内容の表題作. 「ゴルゴ13で世界情勢の勉強はできない」と言う俗説をまさに覆す内容です.なぜなら,日本の大手メディアは絶対にチベットへの弾圧を報道などしませんから.

補足
 2008年4月17日に配信されたメルマガ「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」で、宮崎氏が実際にチベットを訪れたときの様子が書かれていた。その中に、驚くべき記述があった。

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成20年4月17日 通巻第2161号 より

法王の離宮は「ノルブリンカ」と称せられるが、一部しか公開されていない所為で印象としては小体な王宮群のあつまった公園のよう。軽井沢の簡素な仏教寺院といった感じである。

初っぱなから驚かされたのはダライラマ猊下に対する、あまりの不当な扱いである。
嘗て猊下の謁見された応接間に、ピカピカの曼陀羅が壁画になっていたが、そのチベット歴史の絵物語の最終場面が、なんと、なんと。毛沢東が右にダライラマ猊下、左にパンチェンラマを従えて、陪席させるかたちをとり、さらにその周りが周恩来と劉少奇という構造なのだ。

完全に暴君がチベットを支配し、聖人と従えて統治している絵図ではないか。

(中略)

パンチョン・ラマ十世が本拠地のシガツェにあるタシルンポ寺で急死したのは、胡錦濤と会見した六日後。いまも暗殺説が根強く胡との関連を云々するチベット人がいる。
ダライラマは霊童ニマ少年を「パンチョンラマ十一世」と認定した。ところが北京は95年二月に突如、このニマ少年を拉致し、一方的にノルブ少年を後継者と指名した。

ノルブ少年は2002年7月5日に十三歳の儀式を中国政府公認で行い、「江沢民主席の教えに従い愛国の活き仏になります」と誓わされた。

 今回紹介したゴルゴ13には、人民解放軍山岳部隊 燐隊長が、「仏の慈悲を…」というチベット人を射殺後、パンチェン・ラマに銃口を向け、「ふふふ、共産党は仏より上にあるのさ。死ねっ!!」というシーンが登場する。このセリフに、チベット問題の全てが集約されているが、ダライ・ラマの離宮に描かれている曼荼羅の壁画が、そのセリフそのままの光景だったとは……。

 教会の聖画で、キリストが毛沢東の従者として描かれていたら、「共産党はアラーより上にあるのさ」と言われたら、キリスト教徒やイスラム教徒は、容赦しないであろう。日本の仏教界も、このような宗教弾圧に対しては声をあげるべきだと思うのだが、広島の非暴力・仏教徒の会、日光修験道、姫路市書寫山圓教寺等一部を除き、大多数は沈黙したままである。日本の仏教界は、日本の政治、マスコミと同じく、北京の影響下に置かれているように見えるが、いったい何があったのか。

 圓教寺執事長大樹玄承氏の次の言葉は、宗教者に限らず、我々日本人が深刻に受け止めなければならないものだと思う。

「(チベットで行われている宗教弾圧に対して)もしも宗教者として毅然とした態度で臨めないならば、私達はこれから、信者さん、檀家さんに、どのようなことを説いてゆけるのでしょうか。
 私達にとってこれが、宗教者、仏教者であるための最後の機会かもしれません」
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